林直樹「新版よくわかる境界性パーソナリティ障害」

 精神の病を患っているのか、単なる性格なのか、これは線引きが極めて難しいところである。ずっと精神科医の診察を受けてほしかったのだが、その手前でどこに相談したらよいかわからないまま、現在に至っている。先日相談した行政書士によれば、「強制人格障害」ではないかとのことであった。そこで、この周辺について調べてみることにした。インターネットで調べる範囲では、「強制人格障害」という言葉は存在しなかったが、「境界性パーソナリティ障害」を疑うようになった。それで本書を取ってみた。

 振り返れば、本書に書いてあるような本人との接し方で自然と実践したこともあったように思うが、現実は紙に書いてある通りにはならない。私も感情的にならざるをえないこともあり、そのことが禍根を残すこととなってしまった。実際に病気だったのかはまだ確信は持っていないが、病気ではなかったとしても、もっと早くこの領域の専門家に相談すればよかったと後悔せざるを得ない。

 

 日本をはじめ世界で広く採用されている診断基準のDSM(アメリカ精神医学会『精神疾患の診断と分類の手引』)では、パーソナリティ障害とは、「その人の属する文化から期待されるものから著しく偏った、内的体験および行動の持続的様式」とされています。

■境界性パーソナリティ障害のおもな症状

・感情コントロールの障害

>見捨てられることを回避:人に見捨てられることに不安があり、見捨てられないためにはなりふりかまわず行動します。

>不適切な怒り:不適切で激しい怒りをコントロールできません。

>感情が不安定:情緒不安定で、短いサイクルで強い不快気分やいらだち、不安が起こります。

・行動コントロールの障害

>自殺企図や、そのおびやかしの行動:自殺するそぶりをして脅かしたり、実際に企てたり、自傷行為を繰り返したりします。

>2つ以上の領域での衝動性:浪費、性行為、アルコールやその他の物質乱用、無謀運転、むちゃ食いなど、自分を傷つける可能性のある衝動的な行為をします。

・対人関係の障害

>ストレスに関連して生じる妄想念慮や解離症状:一時的なストレスに関連して、妄想的な思い込みが生じたり、重い解離症状が出たりします。

>慢性的な空虚感:生きている実感が持てない、自分は空っぽだ、などのむなしさの感覚を抱いています。

>自己同一性障害:自分自身のイメージが安定せず、自分はどういう人間なのかという感覚や確信が持てません。

>不安定な対人関係:安定した対人関係が保てません。たとえば、理想化とこきおろしの両極端に激しく揺れ動きます。

■認知療法:認知の偏りやクセを変えていく治療法

認知への働きかけ

1自覚:さまざまな認知のクセがあることを自覚してもらいます。

2検討:その認知は正しいのでしょうか?ほかの考え方も可能ではないでしょうか?

3再考:そうした認知のクセをとらえ直すように促します。

4変化:最も変化しにくい、中心にある思い込みを変えていきます。

■援助者の在り方

1過剰に反応して振り回されない

2過度に自分の責任を感じすぎない

3できないことはできないと言う

4改善には時間がかかると考えて、あせらない

5本人の行動は、本人に責任があるという姿勢を貫く

6本人だけでなく、自分も変わっていく

7相談する相手を持つ

男はつらいよ 令和

男はどこまで我慢するべきなのか 妻の言動は虐待なのか性格の問題なのか線引きの難しさ そしてそれゆえに離婚の成立要件にならない現状 これらの問題に正面から取り組む

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