田畑淳/森田桂子「離婚の相談&受任の心得」
インターネットで調べてもなかなか出てこなかったのだが、やはり男性向けの相談窓口があった!本書で紹介してあった。
・東京都配偶者暴力相談支援センター
男性のための悩み相談 03-3400-5313
毎週月曜日・水曜日 17:00~20:00(祝日・年末年始を除く)
毎週土曜 14:00~17:00(祝日・年末年始を除く)
■離婚原因について――性格の不一致は離婚原因に該当するのか
1 有貴主義と破綻主義
そもそも離婚については、当事者の有責行為がある場合にのみこれを認める有責主義と、有責行為の有無を問わず婚姻が破綻していれば離婚を認める破綻主義の2つの考え方がある。我が国の民法は、770条1項5号で離婚原因として「婚姻を継続し難い重大な事由」を挙げていることから、破綻主義をとっていると考えられる。ただし、有責配偶者からの離婚請求は認めないとする判例の態度からすれば、ある程度限定的な消極的破綻主義と解せる。
ただし、最大判昭和62年9月2日民集41巻6号1423頁は「①別居が相当の長期間である、②未成熟の子が存在しない、③離婚請求の許容が社会正義に反するような特段の事情がない」ことを条件として有責配偶者からの離婚を認め、積極的破綻主義へのアプローチをみせる。
なお、有責配偶者からの離婚請求についてはケース4を参照。
2 婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)
主観的な婚姻継続の意思欠如ないし客観的な共同生活修復困難のいずれかが認められる 場合には破綻しているといえる。具体的には、
(ア)暴行・虐待...破綻の原因となりうる。
(イ)重大な侮辱...破綻の原因となりうる。
(ウ)借金・浪費・働かない...共同生活維持が困難 になれば破綻の原因となりうる。
(エ)犯罪行為...破綻の原因となりうる。
(オ)疾病・障がい・性的不能...いずれも破綻の原因となりうる。
(カ)宗教...共同生活維持が困難になれば破綻の原因となりうる。
(キ)親族との不和...単独では理由となりにくいが、配偶者自身も不和の創出に加担する
など事情があれば破綻の原因となりうる。
(ク)性格の不一致...単独では破綻の原因と断言できず、他の要素と相俟って認定される
ことが多い。本ケースでも、「性格の不一致」のみを主張して「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとの認定を得ることは厳しいと思われる。
夫が吝嗇家の場合は、経済的虐待が長年に及んでいる場合もあります。中流以上の年収がありながら家賃以外の妻と乳幼児の生活費を毎月2万円しか渡していないというケースに仰天したこともあります。ケチか節約かどんぶり勘定かは、生き方のセンスの違いなので、一緒に暮らすにはかなりの問題となります。
本ケースにおいては、母親側に親として不適格な事情がある。しかし、多くの離婚事例はそうした特段の事情はなく、「自動的に父親側が親権をとられる」事件が多い。
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