友田明美「親の脳を癒せば子どもの脳は変わる」

 心の病は立証が困難である。だから、児童虐待も表に出てきにくい。本書で示してくれているように、それが見える化され、健全な子育てが導かれるようにあってほしいと切に願う。


■「聴覚野」―暴言によって肥大

 …聴覚野は言語にかかわる領域で、他人とのコミュニケーションを円滑に行うはたらきを担っています。激しく怒鳴る、威嚇する、なじるなど、暴言によるマルトリートメントを受けると、左脳の側頭葉にある聴覚野の一部、「上側頭回灰白質」と呼ばれる場所の容積が肥大します。脳におよぶダメージの強弱は次のような結果になりました。

・両親からの暴言 > 片方の親からの暴言

・母親からの暴言 > 父親からの暴言

■最大7割弱の確率で次世代へと連鎖する虐待

 人間における虐待の世代間連鎖については、イギリスの精神科医ジャック・オリバー氏による研究が知られています。それによると、子ども時代に虐待の被害にあった人が親になったときの連鎖に関する割合は以下のとおりです。

・自分の子どもに対して虐待を行うようになるのは全体の3分の1

・ふだんの生活に支障がないものの、精神的な重圧がかかったとき、かつて自分がされたような虐待を我が子にしてしまう可能性のある人たちが全体の3分の1

・虐待せずに子育てができるのは全体の3分の1

男はつらいよ 令和

男はどこまで我慢するべきなのか 妻の言動は虐待なのか性格の問題なのか線引きの難しさ そしてそれゆえに離婚の成立要件にならない現状 これらの問題に正面から取り組む

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